ISM~内外共に多事多難~

おっさんの戯言

映画日誌『映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット』

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★☆☆☆☆

浜辺美波の蛇喰夢子が存外ハマってた!!」

前提条件として

私は嘘食いと福本作品信者なので、この作品を見る気は全然なかったです

それが、娘と一緒にアニメを観てみると存外面白かったので興味を持つようになりました

良くネット界隈で言われる「美少女で嘘食いをやらせたかった」と言う表現は、言い得て妙だなと思います

まぁギャンブル漫画としてはそのレベルには程遠いけど

キャラとかオリジナルゲームは面白いものがあります

これは個人的意見ね

 

さて、そんな賭ケグルイ映画の新作がアマプラで配信されたので観てみました!!

「主演が浜辺美波って…」(浜辺さんが云々ではなく、単純に蛇喰夢子のイメージに合ってねーなーと思っただけ)と思ってたけど、観てみたら存外ビジュアルもキャラもハマってて良かったです(原作では巨乳設定の夢子なのに…ってのはあったけど)

他にも、高杉真宙の鈴井、森川葵の早乙女、中村ゆりかの五十嵐はビジュアルもバッチリハマってて、コスプレ感が強くてスベりがちなこの手のアニメ原作の映画の中ではベストに近いキャスティングが実現してると感じました

そこの好感度は高かったです

特に中村ゆりかは一番コスプレ感が無く、クセの強いキャラ達の中では良い意味で"普通"だったので結構魅かれました

逆に池田エライザの綺羅莉はメイクと光の当て方の問題か、とても老けて見えたのと、三戸なつめに黄泉月役を振るのは流石にキツイやろ…と言うのが残念な点でした

余談ですが、松田るか(皇伊月)と柳美稀(生志摩妄)と言うニチアサで活躍した女優さんがメインキャラで出演されてるのは嬉しかったです^^

とまぁ、キャスティングは良かったのですが中身はと言うと…

 

今回は生徒会に無期限の停学処分にされた藤井流星演じる視鬼神真玄との対決がメインのオリジナルストーリーですが、

まぁ何と言いますか藤井さんの演技はかなり頑張っていたと思うのですが、如何せん視鬼神真玄と言うキャラがどうしようもない…

多分、したたかで狡猾な狂人と言う設定だと思うのですが、やる事と言えば人質を取って脅すだけなのでギャンブルに強いとか得体の知れないヤバさとか全くなく、ただの卑怯なヤツって印象しか残らない

最後のギャンブル以外は特にイカサマを仕掛けるとかないので、心理戦もへったくれもない

これならいっその事、能力バトル系にした方が良かったんじゃないかなー

あぁそう言えば視鬼神さんは『人の欲の色が観える』と言う特殊能力がありましたね

ストーリーにもギャンブル勝負にも何の影響もなかったけど

それに、視鬼神が「相手を上手く操って自分の望む展開にする」と頭脳プレーを発揮したけど、それにしたって具体的に視鬼神が何をしたって事は金で買収しているってこと以外は描かれず、夢子がそうだよねと語ってるだけで意味不明

案外ここの「相手は自分の意思で動いているように思っているが、実は視鬼神にコントロールされている」ってのが良かったのかもしれない

そうしなければ、視鬼神の裏工作を事細かに書かないといけないから

そこが書ききれないならこうするしかないよねってのが私の感想

こう言う頭脳戦がメインとなる作品は、作者に知力とセンスが高いレベルで要求されると改めて実感した

意味不明と言えば綺羅莉が生徒会長を辞める下り

五十嵐が勝手に視鬼神に勝負を挑んだ事と、その五十嵐を助けるために横槍を入れたことに対する落とし前だと考察するけど、それにしたって話が飛躍しすぎて全然入り込めない

後、この作品のギャンブルに対する賭け金さ、オールイン多すぎやろ…

命も含む全てを賭けるオールインと言っとけば緊張感が出ると思ってるんだろうけど、口癖のようにオールイン言い過ぎて逆に緊張感無くなるわ

そして極めつけは最終決戦

視鬼神君が「絶対に破られない」と豪語していたトリックも、ホンマにしょーもないトリックで興覚め

そして最後の小物感

まぁ「無様に負けろ!!」と視聴者に思わせるほどヘイトを集めた視鬼神君

その空気に持って行ったと言う点ではここまでの展開はまだ正しかったかなと思うけど

それにしたってダサすぎでしょ…

などなど…視鬼神真玄と言うオリキャラの存在が全てにおいて足を引っ張ったと思える本作

こんなことなら、視鬼神真玄編は中盤位で終わっておいて、最後は夢子と綺羅莉の対決で〆た方が、視鬼神君も噛ませ犬としての役割も立派に果たして綺麗に終われたと思うんだけどなー

良くジャニーズがメインキャストだとファンがそれ目当てに観に行くと言われるけど

これって原作ファンもジャニーズファンも喜んでるの?どうなんやろ

 

一方で良かったところもあって

何だかんだ言っても勝負の行方には不覚にもドキドキさせられました

そして体育祭準備活動と言う名の強制労働施設で、突然始まった早乙女と鈴井のミュージカルだけど、私はアレはアレで面白かったです(皮肉じゃなくてねw)

でもあれって勿論ギャグ要素で入れてるんだよね?

本格的ミュージカル要素として入れたのだとしたら滑りまくってるんだけど…

 

視鬼神真玄とは対照的に、「コイツが居たから良かったな!!」と思わせてくれたのが高杉真宙の鈴井涼太だよね

鈴井の存在は本当に重要!!

確かにキーマン的要素はないかもしれないけど、鈴井がいる事でこの作品は大分救われてる

個人的にはMVPだよ!!

後、OPとEDの演出は好きだったなー

 

結論、家で時間潰しに観るならまぁまぁまぁ…な映画でした

 

超個人的に体育祭の強制労働はカイジの地下、視鬼神真玄の名前は嘘食いの登場人物の磨黒 燥滋から着想してオマージュしてんのかなーと思ったw

まぁ両作品信者の私なんで、かなりバイアスかかりまくってるけど

もしそうだったらいいなーなんて思いました