映画日誌『燃えよ剣』
★★★★☆
「新選組が好きなら絶対観るべし!!」
満を持して観てきました
言わずもがな、司馬遼太郎の『燃えよ剣』の実写映画ではありますが、原作未読の私でも十二分に楽しめる超スペクタクル且つ最高のエンターテイメント映画になってて本当に良い映画でした
あれが小説の映像化であるならば、司馬先生はとてつもないエンターテイナーではないかと感じました
それほど、それまでの新選組のイメージを新しくしてくれる
そんな作品だったと思います
この映画の私の感じた特徴を挙げますと以下の三つになります
①土方の独白形式でストーリーが展開される
②新選組を内からではなく外から描く
③今までの時代劇にはない殺陣
感想として書きたいことがたくさんあり過ぎてまとまらないので
この三点に絞って触れていきたいと思います
①土方の独白形式で映画が進む
これについては原作を読んでおりませんので、本作がこの形式なのかわかりません
まずは自らの出生から戊辰戦争まで
これを土方がインタビューに答えるような形で映画は進んでいきます
それ故、時系列が分かりやすく、テンポよく進んで行くので2時間ちょいと言う上映時間が全く苦になりません
逆にそれ故の弊害と言えるのは、土方が見ていないものは「~らしい」と言伝聞表現で終わり、深く踏み込まれていない事
例えば、近藤の断首など物語の節目なのだけど、細かな描写は無しと言う感じ
これが悪いと言うわけでは決してなく、「そうなんだー」と感じた点
それでも、演技と演出で目頭が熱くなったので流石だなと思いました
ここまでで独白を終え、写真撮影をして最後の戦いに向かう
これはインタビューではなくリアル
そして土方が討ち死にしたところで映画は終わりとなります
②新選組を内からではなく外から描く
かつて大河ドラマでも放送された新選組ですが、いつも新選組内にフォーカスした作品が作られてるイメージが自分にはあります
そんな中で本作は、歴史の中で新選組がどのような存在であったかを俯瞰したような感じで作られているように感じられたのがとても新鮮でした
もちろん、芹沢暗殺や山南の切腹、伊藤の暗殺などポイントとなる内部での事件や、それぞれ(主に土方の人間関係)の人としての絡みもちゃんと観せられています。一方で、河合の切腹など本当に新選組の内輪の様な出来事は省かれるなど、その辺の視点が絶妙に構成されていて面白いです
ちなみに、新選組全組長は登場しません
ガッツリ描かれているのは近藤、土方、芹沢、新見、山南、沖田
そこそこ登場するのが藤堂、井上、伊藤、永倉、山崎、斎藤
ほぼ名前だけ?くらいでちらっと登場が原田とかかな
名前の字幕も当然ないので、中々誰が誰なのか把握するのが難しかったです
③殺陣が時代劇のそれじゃない
ズバリ言ってしまえば時代劇の殺陣じゃなくてアクション
土方が自らの剣術を喧嘩剣術と呼んでいるに相応しい荒々しい刀での斬り合いになってます
これが観ていて爽快!!
そして古臭くなく、迫力あるエンターテイメント作品になってる要素だと思います
土方の殺陣は岡田准一さんご自身がされてるようで、それも本当に凄いですよね!!
そんな激しいアクションがありながらも、描写は生々しくリアル
芹沢暗殺シーンなど本当にぞわっとしました
そしてちょっとした笑いなどもあり、空気を緩めてくれる
そんな緩急の対比が絶妙で、作品にリアリティがめちゃくちゃあります
また性的な描写も少しですが散見され、それが映画の脚本ではなく小説家の作品だなと言う独特の良さを感じさせてくれます
なんか感じたことが多すぎて文章をまとめられないな…
これ以上書いたら蛇足になりそうなのでこの辺にしときます
俳優さんたちの演技も凄かったですよ!!
こちらも絶対楽しめると思います
特に山田涼介の演じる沖田は本当に凄かった!!
あの飄々としていて、でも線が細く儚げな演技は驚嘆です
最後のやつれた姿を見て、めちゃくちゃ減量したんやなー凄いなーと思いました
ウーマン村本演じる山崎も面白かったです
最近の早口政治ネタ漫才そのままに理屈っぽい早口男で異様な存在感を出してた
漫才は好きじゃないけど、山崎役は良かったと思います
藤堂役のはんにゃ金田も良かった
思った以上にイケメンやね(笑)今回は芸人も役をやりきってて本当に凄かったと思います
個人的には「海賊戦隊ゴーカイジャー」のゴーカイブルーこと山田裕貴の演じる慶喜も注目の一つでした
クールで頭が良いって雰囲気を上手く出してたと思います
ただ、あのキャスト陣の中では少し存在感が薄くなってしまっていたなかなとは感じました
あの壮大なストーリーを良く二時間ちょっとでまとめたなと思いました
なのでずっと見てるとこっちが息切れして疲れてしまうのはあるかな
新選組や幕末が好きなら絶対に観て損はないです
ですが逆にそうでないならちょっとしんどいんじゃないかなと思いました
例によってパンフレット買いました
これを読んで登場人物を整理します
後、豪華なロケ地を振り返るのも楽しいです^^